歌詠みの綴り

短歌または詩。その説明

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたでなければ

いつも手をつないでいるのに、ハグもしているのに。いつも寄り添ってお互いの温もりを感じながらベンチに座るのに。ほんのわずか指先がわたしの胸に触れたと言ってどうしてそんなに謝るの? わたしの胸にかすかに指先が触れた、それだけのことになぜうろたえ…

待ち時間

待つのはいやじゃない。でも会えなくなるんじゃないかと心配になる。例えばわたしが待ち合わせを間違えたとか、あなたが事故に合うとか。不吉な予感で胸が痛くなる。あなたとは携帯で連絡が取れないから。 お願い、探してください。現れないわたしを探して。…

ハグ

「ハグして」言わなければしてくれないけど、おねだりするたびに強く抱かれるのを感じる。あなたの強いハグに少し驚く。でもなんて居心地がいいんだろう。ほっとして泣きそうになる。本当は触れたいのだと、言わないけれど解る。私の手をマッサージしてくれ…

携帯電話

悲愴な決意で切り出した携帯電話。 嫌だと言われたら予想はしてもきっと哀しかったと思う。 あなたはわたしの安全を優先してくれた。 携帯電話を持た無いという主義を曲げて わたしとの夜の会話を選んでくれた。 だからわたしもルール違反はしない。 あなた…

整理整頓

新聞を開けば他国では大きな戦争が起きている。ただ宗教の違いで憎しみは生まれるのだろうか?別の紙面には平和憲法を変えようとする人がいる。過去の反省を忘れて、この国はどこへ行こうとしてるのだろう?子どもは母親に捨てられ何年も骨だけになって「パ…

大きな「祈り」の中で

法隆寺の仏様にもう一度会えるなんて人生に無いと思ってた。それは静かで強い祈りだった。 触れるか触れないかの近さであなたが腰を抱く。こっちへ、と。静かにエスコートされるのってなんて気分がいいんだろう。 休憩する。ベンチに座る。脚から肩まで触れ…

二日目なの

わたしは生理のせいで食欲のコントロールができなくて、 夜更かしして、飲み過ぎていた。 翌朝あなたからの電話。 「12時15分に、どうかな?」 わたしが断るわけないじゃない。 でもね、鏡の前で愕然とした。 こんな顔であなたに会えない。 髪を洗い直してむ…

もしかして電話した?

約束じゃない日、ダメだって解ってるのに電話して。でも4コールで「あ、居ないな」って切ったの。お家の方に迷惑だもの。でもその瞬間にあなたがわたしからだって気がついて電話をとってくれたのに。 もしかして、昨日電話した?あなたからだって思ったんだ…

ごめんね

あなたが思うほどわたしは音楽的ではない。とても絶望的なことなのよね、たぶん。 とても低いところで、わたしは音楽の力を感じて生きている。あなたはとても高いところに居る。バカだなってきっと思うよね。でもね、そのバカさ加減がわたしをこっちの世界に…

意地悪はしないで

あなたは最近わたしの名前を呼ばない、なぜ?。の問いに、あなたは当惑したようだった「なんでだろう?」ほんとに天然な人ね。 「おたく」と言ったら怒るよね?当たり前でしょそんな意地悪したら電話してあげない! 夏になると上から虫が降ってくるぞって、…

思いがけずあなたに

今日練習に来るなんて、朝の電話でどうして言わないの!お化粧にもっと注意して行ったのに。 あなたの街の話題がテレビに出るよ。そんななんでも無いことを知らせてくれる、あなたの優しさが胸に染みる。 あなたが練習に来てもそちらを見られない。なにかと…

あと24時間

あなたに電話できるまで、あと24時間。もう楽しみでなにも手につかない。あなたに電話するまでに、幾つかの宿題をこなさねば。あなたは私だから解ると思って出したクラッシック音楽CD3枚。とりあえず、がっかりさせたくないの。

月の光に

満月前の月がとても綺麗です。深夜にあなたもふと見上げているような気がします。それだけでなぜか涙がこぼれます。別れる前に改札を通った後で、まだ私の指を離さなかった。あなたが愛してくれている指先の美しさを保てるように月の女神にお願いを。月の光…

葉桜並木の下を駆け抜けて

葉桜並木の下をあなたの自転車の後ろに乗って駆け抜ける。青空と若葉が映画みたいに流れて行く。 自転車の後ろに横座りで乗るなんて、広い公園で誰もしていない。誰が観ていても知らない。私たちにしかできないことよね。 美術館の中はとても寒くて、わたし…

親友以上で

あなたは「特別な友達」だと言ってくれた。わたしもそう思う。けれど男と女にはならずに過ごしてゆく方が幸せかもしれない。 美術館を巡って、公園でお茶を飲んで。中学生みたいな段取りだけど、美術展はマニアックな解説付き、お茶は自家製の冷茶。そのくら…

ピンクについて

いろいろなものと闘っていた時は ピンクになんて興味が無かった。 黒いばかり、戦闘服。 あなたと居る時間が増えて 無防備でも傷つけられないこともあるのだと知った。 最初は喜ばれたくてピンクを買った。 サーモンピンク、 スモークピンク、 ベビーピンク…

ルールについて

あなたは「逢えるよ。よければ、だけど。」などと言う。わたしが必ず行くのを知ってるくせに。 「逢いたい」と聞くことはできないのかしら? 「明日の夜なら電話つながるよ」と言う。「明日電話して」って言わないんだからなあ。 細かいことを考えてみる。 …

2人で逢う時には着ない色

あなたは女が黒を着るのが嫌い。女性は顔色を明るく見せるべきだって。だから白やピンクや水色の服が増えて行く。 わたしの尊敬する人もそう言った。女性はきれいな色を着るべきだ、と。 黒はね、女が自分を励ます時にも着るものなのよ。今度教えてあげよう…

雨の夜に

自転車で移動するあなたが、こんな雨の夜にどうしてるか気になって眠れない。もしかしたら終電を逃したのかしらって、顔を見るまで心配なの。この季節は私の体調だけでなく、あなたのパワフルな行動まで妨げる。雨なんて東京には降らなくていいのに。1度だけ…

良いと、思いますよ。

たいせつで、いとおしくて、だから困らせたくない。でもわたしはヒートアップしてる。重荷にならないだろうか。 一緒にいる時間は何も身構えなくてよくて、ただゆったりと心が解放される。あなたにとってはどんな時間なんだろう。 あなたにはルールがありま…

いつから?

いつからわたしは愛されていたのだろう。あなたに逢った日に◯をつけてスケジュール帳とにらめっこする。わたしは悲劇のヒロインのつもりでいたけれど、あの日もあの時ももしかしたらもう愛されていたのかもしれない。 はっきりと変わって来た時がある。わた…

生け花展

あなたの深さはこういうところにあるのね。音楽とも芝居とも陶芸とも関係のないところで磨く美意識。 華やかな展示会場で、わたしが好きと言った作品をもう一度観に戻ってくれた。シンプルに自然に垂れ下がる緑と花の白だけの作品。あなたはうなずいていたけ…

ハグして

「ちょっとでいいから、ハグして」デパートのエスカレーター降りながら抱きしめられてしまった。今になって顔が熱い。 実はきっかけがなかなか無いんじゃないか。私たちはいつも人がたくさん居る催し物で逢うから。あなたのハグはいい加減じゃなかった。 実…

心配

会う時間に間に合わせるために味噌汁だけで仕事してるって、そんな留守電入ってたら心配で何も手につかないじゃない!とりあえず、弁当。足りなさそうなタンパク質と野菜。ありきたりだけど、今日は食べるまで動かないから!

涙を飲み込んで

あなたは健やかに笑う。傷つくものは今日は何もないのだと安心させてくれる少し観ては少し休む。私が疲れないように。ゆっくり時間をかけて美術品のひとつひとつと私が対話できるように。手を引いて、こちらだと。あんなに照れていたのに今日は戸惑うくらい…

泣けるところ

泣いちゃうかもしれない。泣いてもいいかな。そんな馬鹿な質問にあなたは真面目に「いいよ」と言ってくれる。そういう時に理由を聞かない。あなたらしいと思う。悲しみの理由なんかわざわざ口にさせない優しさ。電話口ではかろうじてこらえた。あのねって。…

泣けるところ

泣いちゃうかもしれない。泣いてもいいかな。そんな馬鹿な質問にあなたは真面目に「いいよ」と言ってくれる。そういう時に理由を聞かない。あなたらしいと思う。悲しみの理由なんかわざわざ口にさせない優しさ。電話口ではかろうじてこらえた。あのねって。…

甘い誘い

とてもカンタンなことのように思える。今見下ろしている地面に飛び降りること。 もしかしたら妖精のようにふんわりと着地して、そのまま風に乗ってあなたの住む町まで行けるんじゃないかしら。 ベランダから下をのぞく。咲きかけたあじさいの白が誘う。甘く…